「カトリックとプロテスタントの違い」を非クリスチャン向けに解説するよ!

トリックとプロテスタント。この二つの名前はあまりに有名。

だけれど、こと日本において「この二つがどう違うのか」というのは、あまり知られていないのが現状。

 

だからこそ、有名な部分から、意外と知られていない部分まで。

カトリックとプロテスタントの違い」を、ガツッと伝えたい。

そういう意図をたっぷり込めて、各部分の特徴を列記したよ。

ざっくりとした説明

まず最初はわかりやすさ重視。

ざっくりと簡単に言い切っちゃうよ。

 

プロテスタントはなんと言っても「聖書主義」。

聖書こそが唯一頼れるもので、他を頼る必要もない。……って考えが基本。

そのため(聖書で理想とされてる)清らかさを強く求めるところも多い。  

プロテスタントのもうひとつの特徴が、「千差万別」。

個々の教派・教団によって、驚くほど意見が違う。真反対なこともしばしば。

 

カトリックはなんと言っても「伝統性」が特徴。

歴史ある聖堂に、歴史ある儀式の数々。そこには長く続いてる理由と、ちょっぴり古めかしい部分とが合わさってる。  

カトリックのもうひとつの特徴は、「*強い一本集権性」。

教皇様をトップとして、組織構造は見事にピラミッド形式。

 

正教会もわりと分かれてるし、プロテスタント各派はもうバラバラだからね。キリスト教随一の一本集権と言えるんだよ。

 

  • プロテスタント
    • 聖書主義
    • 教派ごとに千差万別
  • カトリック
    • 伝統性を保持
    • 強い一本集権

一番わかりやすいところを説明すると、こういった感じになる。

その詳しいところは、これから説明していくよ。

歴史と共通点

この偉大なる二つが、かの「宗教改革」から分かれたことは有名だよね。

世界史の教科書にも「マルティン・ルター」先生の名前と一緒に載ってる。

 

細かい話をし始めたらキリがないので、歴史の話は端折るよ。

とりあえずは、以下の三点だけでもダイジョーブ。

  1. カトリックへの「抗議(プロテスト)」から、「プロテスタント」となった
  2. 「マルティン・ルター」先生が、抗議活動の火付け役
  3. 同じ根っこを共有しているので、共通点も多い

キリスト教の主な共通点

カトリックとプロテスタントで違う部分もわりと多いんだけどね。やっぱり同じキリスト教ということで、共通点も多いのよ。

まずここは、キリスト教の基本部分について説明していくよ。

  • 聖書
  • イエス・キリスト
  • 主の祈り
  • 使徒信条
  • 三位一体
  • 洗礼
  • 聖餐

聖書

日本人にもおなじみ、ホーリーバイブル。

アレだよ、「アメリカ大統領が手を当てて宣誓するアレ」だよ。

 

旧約聖書と新約聖書がセットになってる、ぶっとい世界のベストセラー。

旧約と新約ってなにさ? 新薬とジェネリック医薬品みたいなもの?」って人は、とりあえずこれだけ覚えておいて。

  • 旧約聖書=イエス・キリスト登場前
  • 新約聖書=イエス・キリスト登場後

 

聖書の原典は、旧約聖書がヘブライ語で、新約聖書がギリシャ語で書かれてる。

なので、「英語聖書」とか「日本語聖書」というのは、正確には「各国語に翻訳された聖書」ということになるんだよね。

 

同じ日本語翻訳でも、いろいろと訳の違いがあってね……。

ちなみにこの記事では、特別な表記がなければ「新共同訳」から引用してるよ。よろしくね。

イエス・キリスト

謎めいたセイントなお兄さん。

水をぶどう酒に変えたり、病気の人を癒やしたり、ハンドパワーのすごい人だよ。

 

語弊を恐れず言えば「キリスト教はイエス・キリストを拝む宗教」。

彼なくしてキリスト教とは言えないし、彼なくしてキリスト教の論理は通らない。

 

名実ともに、キリスト教の看板なんだよね。

主の祈り

キリスト教における「スタンダードな祈り」的扱いのもの。

イエス・キリストが手ずから教えた祈り(マタイによる福音書6:9-13)ということで、どこの教派でも重要視してるよ。  

これも日本語訳の違いから、いくつも種類があるんだよね。

 

プロテスタントでよく使われるものは、「http://sanbika.la.coocan.jp/z.shuno-inori.html」あたりを。  

カトリックと日本聖公会で使われるものは、「http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/prayers/00lordpr.htm」を。  

詳しい歴史・種類は「主の祈り - Wikipedia」を参照してね。

使徒信条

西方教会において、「キリスト教の一番重要な教義つったらこれっしょ!」と、大昔の会議で決まった文言だよ。

『キリスト教名乗るんならこれ守らなあかんやろ?』と合意した内容」とも言えるけどね。

 

英語だと"Apostles' Creed"。単にクレド(Credo)と呼称されることも多いよ。

プロテスタントでもカトリックでも「使徒信条唱えないところはモグリ」って意見が流れてるくらいには、伝統的で重要視されてる部分かな。

 

これも例によって、日本語訳による違いがどうのこうの。キリスト教は外から来た宗教ということで、翻訳による差異がめっちゃ多い。

ここでは、比較的古めかしい口語訳バージョンを引用するよ。  

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。

我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。

主は聖霊によりてやどり、おとめマリヤより生まれ、

ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、

死にて葬られ、陰府(よみ)にくだり、三日目に死人の内よりよみがえり、

天にのぼり、全能の父なる神の右に座したまえり。

かしこよりきたりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。

我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、

からだのよみがえり、とこしえの命を信ず。

アーメン

……難しいよね、いろいろと。

よくわかんなくて大丈夫だよ。みんな始めはそうだったから。(教会でおばさまが良く言うセリフ)  

もうちょい詳しい経緯・種類は「使徒信条 - Wikipedia」を参照してね。

三位一体

単語としては良く聞くのに、説明がめっちゃムズイ部分。

上二つと違って、「三位一体 - Wikipedia」読んでも正直ようわからんやつ。  

語弊を恐れずざっくり言えば、「三つのゴイスーが合体して、一つの神」ってことなんだけど。

まー、あんまり気にしないで大丈夫大丈夫! 「わたし幼児洗礼だけど、三位一体はよくわからないのよね」って人、結構多いし!

 

それ以上のことが気になるって人は、こちらをどーぞ。僕が前に書いた解説記事だよ。

参考:キリスト教の『三位一体』を、やわらかめに解説するよ!

洗礼の儀式

洗礼。「〜〜の洗礼を受ける」って慣用句の元ネタ。

各教派ごとに一家言あるやつだけど、客観的には「キリスト教入信の儀式」ってとこかな。

 

ギリシャ語の呼び名から、「バプテスマ」とも言うよ。

これが持つ意味は……説明しだすとめっちゃ長くなる。

 

なので、ざっくりと言います!

なんか水かける儀式」の認識でもそんな間違っちゃいません!

 

ちなみに、額に水かけるのを「滴礼式」、お風呂のように水に浸かるのを「浸礼式」って言ったりするよ。

伝統的なのは浸礼式の方なんだけど、多くの教派は滴礼式で良いと判断してる。

聖餐の儀式

カトリックでは「ミサ」と呼ぶ、伝統と信頼の物。

パンとぶどう酒を食べる儀式」だよ。ほら、映画とかで見たこと無い?

 

絵画で有名な、最後の晩餐(ルカによる福音書22:14辺り)がモチーフでね。

いろんな儀式の中でも、(特にカトリックで)重要視されている、大切な儀式なの。

 

カトリックとプロテスタントで、「聖なる食事をありがたく頂戴する」点については、両者同じ。

両者の教義的に持つ意味合いは、ちょっと違うんだけど……。

 

でも、説明は後回しにするよ。

絶対小難しい解説になっちゃうもん。

まとめ

カトリックとプロテスタントは、同じ根っこを持つ。

そんな歴史からすると当然のように、共通してる部分はかなり多い。  

しかし、それは裏を返せば「同じだけ違っている部分がある」ということでもある。

この次の章からは、両者の特徴的な部分を説明していくよ。

「プロテスタント」の説明

プロテスタント最大の特徴は、「教派によって特徴が変わること」。

……さすがに、これで説明を終わらせたりはしません。

 

詳しくは後述するけど、カトリックには「強い一本集権構造」があるんだけど、プロテスタントはそうじゃない。

基本バラバラで、個々の教会ごとに教義が違う」のが特徴。よって、ひとまとめに語るのは難しいの。

 

例えば、『ルター派』とも言われるルーテル教会系。 あそこはマルティン・ルター先生の考え方を引き継いでて、伝統的(カトリックに近い)部分を残してる。聖人信仰とかね。

逆にメソジストとかは、そういった伝統部分にNOを突き付けた歴史がある。一般に「プロテスタント感」を認識されるのはこっちの部分が多い。

 

ようするに、プロテスタントは一概には言えないってこと……。

個別説明(プロテスタント)

こー、個々の教派を解説するのは、記事の尺的にも僕の知識量としても厳しい。

なので、ここではあくまで一般的な共通点を説明していくよ。ご了承ください。

  • 教職者は「牧師」と呼ばれる
    • 結婚OK
  • 「万人祭司」という仕組みで、聖職者以外も儀式その他が行える
  • 聖母マリア・聖人信仰がない
    • (ルーテル教会系、聖公会系は別ね)
  • 十字架・教会がシンプル
  • 重要儀式は「洗礼」と「聖餐」の二つ
  • 賛美歌を重視

(当然だけど、全てのプロテスタント教会に当てはまるわけじゃないよ)

牧師

アメリカの作品にはよく出てくるよね。なぜか「黒スーツ・黒帽子で、黒い聖書を小脇に抱えてる」イメージ。

必ずしも牧師さんがその姿ではないけど……そのスタイルの人も割といる。

牧師さんの大きな特徴は、主に三つ。

  • 結婚ができる
  • 男性・女性どちらでも牧師になれる
  • 「聖職者」ではなく「教職者」と呼ばれる(ここ大事)

教会にもよるけど、基本は「聖書関連で一番頼りにすべき人」扱いだと思う。  

神父さんは「聖職者」、牧師さんは「教職者」。

教職者=「羊たちを導く羊飼い(牧者)のように、信徒を神の教えへと導く者」って意味ね。

 

この違いについては、後述する「万人祭司」部分が関わってくるよ。

万人祭司

プロテスタントにおける「宗教改革三つの柱」が一つ。

祭司ってのはもともと、「儀式を行う特権を持つ人」のこと。  

カトリックでは基本的に「儀式を行えるのは司祭(神父)のみ」って教義があってね。

 

その教義に対してルター先生は、「キリストに従う者は、誰でも儀式を行う権利を持つ!」と、カトリック批判を行ったの。

参考:万人祭司 - Wikipedia

 

経緯はともあれ、そういう流れを汲んで、プロテスタントでは「信徒全員が平等に神と繋がっている」という教義を持ってる。

なので、万人が祭司=「牧師さんでなくても信徒が儀式を行える」ということ。

 

「牧師と信徒の立場は平等」だからこそ、牧師さんは聖職でなく「教職者」と呼ばれるんだよ。

聖母マリア・聖人信仰がない

「プロテスタントでは聖書一本集中」と言ったでしょ?

宗教改革の時期に、プロテスタントたちは「もっと純粋な信仰に向かうために、聖書に根拠のないことはやめよう」と考えた。

 

キリスト教には「伝統的には受け入れられてるけど、聖書とは関連が薄い部分」がわりとあるんだよね。

「聖母マリア信仰」と「聖人信仰」もまた、そういった部分の一つ。ちょっと専門的な言葉だと、「民間信仰的な部分」と言えるね。

 

ここまで言えば、もうおわかりのことだろう。

(多くのプロテスタント教派的には)「聖母マリア・聖人信仰は、聖書に根拠のないもの」とみなされたってわけ。

 

この辺を詳しく話し出すと、「聖書のみ、信仰のみ、恵みのみ」って名ゼリフとか出だすんだけど……ま、お硬いところは他の人に任せておこう。

 

多くのプロテスタント教会では、「聖母マリア信仰・聖人信仰」はない。

最初の一歩は、それくらいの認識で十二分だと思うよ。

十字架がシンプル

プロテスタントは十字架がシンプル。

いわゆる"✝"マークは有名よね。

 

このシンプルさには、

  1. 偶像崇拝をできうる限り避けるため。
  2. できうる限りお金をかけないため(その分を布教に回すのが理想)
  3. シンプルマークとしての、わかりやすいイメージ化

みたいな意味合いがある……と聞きました。

 

とりあえず、「プロテスタントはシンプル十字架」の認識で問題なし。

教会がシンプル

ヨーロッパの方のカトリック大聖堂とか、すごく豪華絢爛でしょ?

ああいうノリに対して、プロテスタントは真逆の「清貧の思想」に向かった経緯がある。

 

「カトリックへの対抗心」とか「新大陸移住後のお金の問題」とか、多々あるはずだけど。

一番大きい理由は、「聖書でイエス先生が説く内容が、清貧をよしとする方向だから」だろうね。

洗礼と聖餐

(当然ながら)聖書の中に根拠がある、キリスト教の重要儀式。

上の「共通部分の説明」でも説明したね。  

もともとカトリックに『七つの秘跡(詳細はカトリック部分で後述)』ってのがあって、その中から、ルター先生が「洗礼と聖餐のみ」を重要視した経緯があるの。

 

「バプテスト教会」が洗礼(の中でも、浸礼式タイプ)を重視するのを筆頭に、各教派がそれぞれ細かい教義を炸裂させる部分の一つだよ。  

僕のにわか知識で太刀打ちできる部分でないことだけは確実。

気になる信徒の方は是非、所属してる教会の牧師さんに聞いてみてね。

賛美歌を重視

この部分も、ルター先生の影響が大きいと言われるね。

「ルター先生は賛美歌をとっても重視していた」ことは、「ルター先生は大のビール好き」と並ぶ、ルター先生豆知識の一つ。

 

なんせルター先生、「自ら賛美歌を作ってたりする」からね。

例えば、この動画の曲「Ein feste Burg ist unser Gott」とか。

この曲ね、ルター先生が作詞作曲したドイツ語賛美歌なの。

日本語でも定番賛美歌の一つで、「神はわがやぐら」って名前で親しまれてる。「これマジ?」って話だけど、これがマジ。  

参考:神はわがやぐら - Wikipedia

 

当時のカトリックの賛美歌(聖歌)は、ものっそ歌うのが難しかった。ラテン語オンリーだったし。

そもそも民衆は歌えなくて、専任の聖歌隊だけが歌ってたそうな。

 

そんな中、ルター先生が作った「みんなが使うドイツ語の、わかりやすくて歌いやすい賛美歌」は大評判。

それに他の指導者も影響を受けた……ってのは、想像しやすい流れだね。

まとめ(プロテスタント)

ここまで紹介したことをざっくりまとめると、こんな感じかな?

  • プロテスタントは聖書一本集中
  • プロテスタントは各教派で千差万別
  • 当時のカトリックへの反骨精神の影響は、わりと息づいている

もちろん、「プロテスタントは聖書一本集中」だけでもオッケー。

「カトリック」の説明

プロテスタントについて少しは伝わった? それとも、伝わってない?

どちらにせよ、ここからはカトリック編。

同じような構成でざっくり説明していくよ。

個別説明(カトリック)

カトリックで代表的な部分は、このあたりかな。

  • 聖職者は「神父」と呼ばれる
    • (男性のみ・結婚NG)
  • 修道院制度がある
  • 聖母マリア・聖人信仰がある
  • 教会に懺悔ボックス(「告解室」)がある
  • 「ミサ」を行う
  • 全世界において、行う儀式は共通
  • 「答唱詩篇」と呼ばれる、少しタイプの異なる賛美歌
    • (使わない場合もある)
  • 幼児洗礼
  • 「磔刑」の十字架
  • ロザリオ
  • 七つの「秘跡」

少し数が多いね。

プロテスタントと違って「カトリックは一つ」だから、明確に話せることが多いのよ。

神父

キリスト教でお馴染みの人、その二。

神父ってのは「聖職者に対する敬称」で、役職的な名前は「司祭」。

 

プロテスタントの説明で「牧師は教職者で、聖職者とは呼ばれない〜〜」って話があったでしょ?

カトリックの場合は、基本的には「司祭職だけが儀式を執り行える」決まりになってるの。

修道院制度

修道士(ブラザー)に、修道女(シスター)。フィクション作品でも名前はお馴染みかな?

カトリックの他にも、正教会などの「伝統的教会」で見られる制度。

 

世俗を離れて、全てを神に捧げた生活を送る」人たちのことで、仏教で言えば出家僧。

一般的には「朝から晩まで祈って祈って祈って……世俗的なことを排除する」生活らしいけどね。

その修道院が所属する修道会によって、具体的な振る舞いは変わってくるよう。

 

最近では、現代の世知辛い波も押し寄せてきてるそうな。

お金の事情とか、社会的な事情とか。うん……世知辛い。

聖母マリア/聖人信仰がある

聖母マリア信仰は「神の子生んだ母ちゃんって、スゴくね?」って信仰。

聖人信仰は「常人には真似出来ない生き方した人って、スゴくね?」って信仰。  

この聖母マリア/聖人信仰というのは、プロテスタントではあんまり見られない。

なんでかっていうと、「聖書が元ネタじゃない」部分が多いから。

 

「イエス・キリスト信仰」をキリスト教初期メンバーとするなら、これは後期メンバー。

キリスト教が世界に広まっていく中で後天的に会得していった文化なんだよね。

 

伝統性を重視するカトリックは、もちろん聖母マリア/聖人信仰を大事にしてる。

聖書主義を重視するプロテスタント諸派は、あまりよろしく思っていない。  

「カトリックとプロテスタントの違い」を感じる上だと、地味に重要な部分の一つよ。

教会の懺悔ボックス(告解室)

七つの秘跡」にも含まれる、「ゆるしの秘跡」で使われる場所。

片方が神父さん用で、もう片方が「懺悔する側」の人用入り口になっている。

 

「ミサ前・ミサ後に神父様をつかまえて、告解させてもらう」とか、 「一年の決まった時期に、神父さんが常駐して対応する日がある」とかが一般的かな。

だれもが一度入ってみたいけど、信徒以外は入れない。中々ミステリアスな場所なんだよね。

 

ゆるしの秘跡の詳細については、七つの秘跡の部分で後述するよ。

ミサ

カトリックで毎日のように行われる、大事な儀式。プロテスタントで言う「礼拝」と似た扱い。

「ミサ」って言葉が指してるのは、「聖餐の儀式」のこと。プロテスタントでも説明した、パンとぶどう酒を食べるアレ。

 

カトリックでは毎回のミサで「聖餐」がある。

(教派によるけど)プロテスタントでは「聖餐の儀式は一年に一度くらい」が多かったりするよ。

ここ、プロテスタントとの相違点の一つなの。

全世界で共通の儀式

強い一本集権制度を持つカトリックならではの文化。

日本のミサと外国のミサでも、(言語は違えど)やってることは同じなの。

 

儀式での所作、司祭が口にする文言、教会の構造……もちろん、教義も同じ。

もっと言えば、昔は「全世界のカトリック教会が、ミサではラテン語を用いる」決まりだった。

今は変わって、各国の言語に翻訳された言語を用いることになってるけどね。

 

外国でのミサに行ってみると、「何言ってるかわかんないけど、たぶん今は○○の時間なのかな」って推測できるんだよ。ほんとだよ。

カトリックの持つ圧倒的伝統性と、目には見えにくい影響力を実感できる時間だよアレ。

「答唱詩篇」について

日本カトリックのミサでは、「答唱詩篇」と呼ばれる形式の聖歌が用いられる場合がある。

これは……動画で聞いてもらったほうが理解が早いかな。

歌詞参考:谷川の水を求めて 典礼聖歌 ##144(音楽が流れるので注意)

 

答唱がいわゆる「サビ」で、ここは同じ部分を繰り返す。

で、「答唱→詩篇→答唱→詩篇」と、曲の終わりまで繰り返すのが特徴。

 

英語だと「Responsorial Psalm」と言う。

参考:Responsorial Psalm: 17th Sunday Ordinary Time (07/24/16)

上記の動画が、英語版の聖歌。興味があったら見てみてね。

幼児洗礼の習慣

生まれてすぐの子供に洗礼を施す、カトリックお馴染みの習慣。

もともと、カトリック的には「洗礼を受けずに死ぬと地獄に落ちる」。

そこから「じゃあ、できるだけ早く子供に洗礼してあげて、すぐ死んでも救われるようにしないと!」と生まれたもの。

 

プロテスタント的には「洗礼はしっかりとした意志判断あってこそ受けるもんでしょ」という考えで、幼児洗礼反対派が優勢。

ここ、カトリックとプロテスタントが真っ向対立してる部分の一つなんだよね。

 

余談だけど、日本の教会において「幼児洗礼の人」と「成人洗礼の人」の間には、ちょっと空気の違いがある気がするの。

人間、育ってきた環境の影響をもろに受ける。そういう点から見ても、中々興味深い部分の一つ。

「磔刑」の十字架

磔刑(たっけい)は読んでそのまま、「十字架などに磔にする刑罰」のこと。

キリスト教会においては、「イエス・キリストの磔」を指すことがほとんどだよ。  

カトリック教会に掲げられる十字架は、だいたいこの「磔刑の十字架」なの。

(こういうのだよ)

プロテスタントの人からは「偶像崇拝的ではないか」とか言われたりもするけど、カトリックの人的には「こうじゃないと十字架らしくない」と評判。

信仰って、得てしてそういうものだよね。

ロザリオ

「ロザリオの祈り」ってのをするためのもの。

名前は有名だけど、祈りの道具だとはあんまり知られてないよね。  

ネックレスにも見えるけど、実は首にかけちゃだめ。腕に巻くのが正式なやり方なんだって。  

「バラの花輪を手繰るように、一つの玉ごとに一つの祈りをするの」とは知り合いのおばさまも話してた。

ま、僕は花輪をくくったことなんてなかったから、訳知り顔でうなずいてただけだったけど。

 

詳しい部分はやっぱり、Wikipedia先生を参考にしてね。

参考:ロザリオ - Wikipedia

 

ここでは紹介のために、「アヴェ・マリアの祈り」を書き起こすだけにしておくよ。

アヴェ、マリア、恵みに満ちた方、

主はあなたとともにおられます。

あなたは女のうちで祝福され、

ご胎内の御子イエスも祝福されています。

神の母聖マリア、わたしたち罪びとのために、

今も、死を迎えるときも、お祈りください。

アーメン。

 

カトリック信徒のおばさま方だと、聖母マリアへの崇敬深い人が多い。

これ、カトリック豆知識の一つなの。

七つの秘跡

ざっくり言えば「大事な儀式」、詳しく言っても「大事な儀式」。  

秘跡』ってのはカトリック用語で、「神さんのすんげえ力をもらえるすんげえの」的な言葉(超ざっくり説明)。

カトリック的には全部で七つ。どれも重要。

  • 洗礼の秘跡
  • 堅信の秘跡
  • 聖体の秘跡
  • ゆるしの秘跡
  • 病者の塗油の秘跡
  • 叙階の秘跡
  • 結婚の秘跡

ざっくり説明に加えて、ちょっと教義的な部分も入れるよ。雰囲気を味わってね。

洗礼の秘跡

プロテスタントでの「洗礼」とそこまで変わらない。

差異はあるけど、基本は似たような認識で大丈夫。

 

カトリックの教義としては、洗礼を受けると「すべての霊的な罪が帳消し!」だそう。

なので「死ぬ直前に洗礼を受けるのが、一番の天国確実ルートなんですよ」って神父さんから聞いたよ。

 

もうちょい詳しく言えば、洗礼で消えるのは「原罪」+「洗礼以前の罪」だとか。

洗礼より後に犯した罪」については、ゆるしの秘跡が担当する部分なのよね。

 

ちなみに。

神父さんが授けることが基本だけど、「やむを得ない緊急時」には、一般の信徒も「緊急洗礼」というのが許されてるらしい。

 

「じいちゃんが危篤になったのに、神父様が渋滞で来られない〜〜」といった時には、「信徒であるか否かを問わず」「その場にいる誰でも洗礼を施せる」そうで。

理論上は、「仏教のお坊さんでも緊急洗礼を授けられる」とかって聞きました。

堅信の秘跡

クリスチャンとしての意思(堅い信仰)を表明する儀式。洗礼と同時に行われる事が多いけど、教義的には別の儀式。

また、幼児洗礼で育ってきた子供が、正式に信徒として認められる儀式でもあるよ。

 

この秘跡を受けていないと、後述する「聖体の秘跡」を受けられない。

なので、カトリックの家に生まれた子供にとっては、ずっと心待ちにする儀式であるそうな。

 

堅信を受けるのは「はっきりとした意思を示せること」が条件らしくて、日本においては「小学校高学年頃になったら」が多いらしいよ。

知り合いのおばさま情報だから、たぶん実情に合ってる。

聖体の秘跡(聖体拝領とも)

映画とかに出てくる、「パンとぶどう酒を食べるアレ」。一番有名な儀式かも。

カトリック的にも、一番重要。「毎回のミサはこの儀式のために行われてる」と言っても過言じゃないくらい重要。

 

こういうペラい煎餅みたいなパン(ホスチア)が一般的。酵母なしの堅焼きパンなの。

 

教義的には「ミサ中の儀式で、ただのパンが聖なるパンになる」ってのが重要なんだけど……。

ま、ややこしいことは覚えなくても大丈夫。

参考:聖体 - Wikipedia

ゆるしの秘跡

洗礼後に犯した罪をゆるしてもらう儀式。映画に多い「懺悔室で神父さんに秘密の話」がこれ。

カトリックの教義的には、「司祭の体を通して、神様がゆるしてくださる」というもの。

 

さっき、洗礼の秘跡で「洗礼以前の罪は帳消しになる〜〜」と説明したよね。

それと対になるのが、このゆるしの秘跡。「洗礼以後の罪を帳消しにする」もの。  

原則「司祭は秘密を絶対漏らさない」というものがあるので、人生相談になっちゃうことも多いらしいけど……。

 

あと、常識的なことを一応補足。

この「洗礼・ゆるし」両秘跡において対象となるのは、「キリスト教においての罪」のこと。

法治国家の刑法は、当然免れられません。

病者の塗油の秘跡

病者の塗油は、「重病の人の回復を願う」秘跡だよ。

その人の額にオリーブ油を塗って、司祭が祈るもの。病院とかでなされることが多くて、神父さんはたびたび呼ばれる。

 

だいぶ昔は「終油の秘跡」と言って、臨終間近の人だけが受ける秘跡だった。

それが、「臨終間近でなくても、病気の人を対象にするよ」と変更された経緯があるの。

 

そこら辺の詳細については、Wikipediaで。

参考:病者の塗油 - Wikipedia

叙階の秘跡

叙階の秘跡は「聖職者を任命する秘跡」のこと。

ぶっちゃけ一般信徒の人には、あんまり関係ないものよね……。  

カトリック教会で良く聞く位階は、この順番。

  1. 司教
  2. 司祭
  3. 助祭

司教さんが指導者的立場で、助祭さんは見習い的立場でね。

「これは司祭以上でしか行えなくて、これは助祭でも行える儀式」などが、かなり細かく規定されてるみたい。

 

日本の組織でありがちな、「偉くなると休みが取れそうに見えて、実際は逆に忙しくなる」法則は教会でも同じみたい……。

組織運営の仕事が増えた上で、いろんな教会のミサに招聘される毎日。神父さんも大変だー……。

結婚の秘跡

いわゆる結婚式の元ネタ的なやつ。

厳密な教義的には「カトリック教徒が、同じくカトリック教徒と結婚する」時だけ適用される秘跡。  

「宗派・宗教の違う人」と結婚するときは、ちょっとグレーな扱いみたいだね。

 

「一つの町には一つの宗教」な世界観では生まれ得ない、実に解決しづらい宗教問題。

それを実生活の上で感じさせてくれることの一つが、結婚じゃあなかろうか。なんて、ね。

まとめ

カトリックは伝統的なだけあって、結構独特な文化が多い。

ここで示せたのは、その氷山の一角にすぎないことだ。  

まとめてみるなら、こんな感じ。

  • カトリックは伝統を守り続けてる
  • けど、時代の変化に合わせることも多い
  • プロテスタントと対立してる教義もある

良くも悪くも、古くからの流れを受け継いでる。受け継いでるからこそ、「変わることを迫られてる」のがカトリック。

だからこそ、「カトリックを知ることは、プロテスタントの理解に繋がる」。と、僕は思ってるよ。

終わりに

どうだったかな?

駆け足の割りには分量が多くなっちゃったけど……許して。  

これだけ書いても、「カトリックとプロテスタント」を語るには足りない。

でも、とりあえずはここで一区切り。

 

間違ってる所・聞きたい所・その他があったら、遠慮無く僕に教えてくださいね。

いやほんと、お願いですっ!

くれじっと

冒頭の画像

自分で撮ったよ(Galway Cathedralにて)

 

Wikimedia Commons先生から引用

十字架(磔刑)の画像

File:Essen Kreuzgang 3 Kruzifix.jpg

聖体(ホスチア)の画像

File:Hostia i komunikanty.JPG

ロザリオの画像

File:Rosarioarcoiris.jpg

 

youtube先生からの引用

賛美歌動画三つ

Thomanerchor Leipzig "Ein feste Burg ist unser Gott" (EG Lied 362) Trauerfeier Kurt Masur (MDR 2016)

高田三郎 典礼聖歌「谷川の水を求めて」 福島章恭 スウィング ロビン

Responsorial Psalm: 17th Sunday Ordinary Time (07/24/16)

 

参考リンク

いろいろといっぱい

諸々に感謝!

記事更新履歴

2016/07/27: 記事初版公開(旧ブログにて)

2016/11/13: あまり初心者向けとは言えなかったので、0章を追加

2016/11/21: 一章記述の整理と修正 記事更新履歴を追加

2016/11/26: 一章記述をまた整理

2016/11/27: 見出しを全てにつけた ロザリオ部分追加 目次を格納できるようにした

2016/12/23: 関連記事部分を下に移動

2017/01/20: 冒頭書き出しを変更

2017/03/14: 聖体についての記述を修正・追加 はてなブログコメント欄で教えてくれた匿名様、まことに感謝!

2017/05/07: 新ブログへの移植含めて、全面的修正 聖公会関連記述を削除(テーマ統一のため)

2017/05/12: 聖母マリア/聖人信仰部分を追加 新ブログにて公開

2017/08/08: 二度目のサイト移行